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合理的配慮とは何か〜『特別扱い』ではない本当の意味

「合理的配慮」をネットで検索すると関連ワードに「ずるい」が上位表示されたり、「わがままとの境界線が分からない」という企業の声や、実際の現場で感じる「不公平感」への対処法が求められています。本記事では、これらの誤解を解消し、日常の人事マネジメントと同じ感覚で取り組める実践的なアプローチを、4つの観点に整理してご紹介します。


合理的配慮を「合理的調整」として読み替える

「合理的配慮」という言葉を聞くと、どうしても「障害のある方への特別な対応」というイメージを持ってしまいがちです。しかし、この認識こそが「ずるい」「わがまま」といった誤解を生む原因となっています。

理解を深めるために「合理的配慮」を「合理的調整」として読み替えて考えてみることを提案します。なぜなら、合理的配慮の本質は「その人が最も力を発揮できるよう環境を調整すること」であり、これは障害の有無に関わらず、私たちが日常的に行っている人事マネジメントと何も変わらないからです。

💡

ケーススタディ|子育て中のスタッフからの相談

今後も活躍してほしいと考えているスタッフから
「小さい子供の面倒をみるため、今のシフトでは働くことが難しい」と相談された場合、管理者のあなたはどのように対応しますか?

企業が行う一般的な対象事例をみてみしょう。

  • 一定期間のショートシフト導入
  • 出勤日数の調整
  • 在宅勤務の部分導入
  • 業務内容の一時変更

これらは全て、従業員が継続的に業務で活躍する為の「合理的調整」です。

障害者雇用においても、まったく同じ感覚で取り組むことができます。本人が最大限パフォーマンスを発揮できる環境をつくり、企業として必要な人材に長く活躍してもらうための投資として捉える。そして何より大切なのは、対話を通じてお互いが納得できる調整を一緒に見つけていくことです。このように考えれば、合理的配慮は決して「特別なこと」ではなく、従業員が自社でより良く活躍する為の当然の取り組みだといえるのではないでしょうか。

「調整」と「わがまま」の境界線はどこにあるのか?

では、適切な「調整」と「わがまま」はどのように見分ければよいのでしょうか。判断の基準は意外とシンプルです。
調整として適切なのは、業務遂行に必要な環境の整備、パフォーマンス向上につながる変更、そして企業の負担が過度でない範囲での対応です。一方、業務と関係ない個人的要求、企業に過度な負担を強いる内容、他の従業員との公平性を著しく欠く要求は、わがままに該当すると考えられます。

この境界線を明確にすることで、企業も従業員も安心して調整について話し合うことができ、お互いが納得できる解決策を見つけやすくなります。

調整として適切な例 わがままに該当する例
  • 業務遂行に必要な環境の整備(座席位置の変更、照明の調整、必要な機器の導入)
  • パフォーマンス向上につながる変更(勤務時間の調整、休憩回数の増加、指示方法の工夫)
  • 企業の負担が過度でない範囲(既存制度の活用、段階的な導入、代替手段の検討)
  • 業務と関係ない個人的要求(趣味に関する時間確保、個人的な好みでの環境変更)
  • 企業に過度な負担を強いる内容(高額な専用設備、大幅な人員増加、事業内容の変更)
  • 他の従業員との公平性を著しく欠く要求(極端に有利な労働条件、他者への負担転嫁)

合理的配慮(調整)の4つの観点

さきほどの章では、合理的配慮を「合理的調整」として捉えることで、日常の人事マネジメントと本質的に同じものであることを確認しました。しかし、いざ実践しようとすると「具体的に何から手をつければいいのか分からない」「どんな配慮が効果的なのか」といった疑問が生まれるのではないでしょうか。

そこで本章では、合理的調整を4つの観点で体系的に整理してご紹介します。これらの観点は、障害の種類や程度に関わらず、あらゆる職場で応用できる汎用的なフレームワークです。対話する従業員の方が表現に悩まれているときには、「この方にはどの観点での調整が必要そうか」「まずはどこから始めるのが現実的か」を考えながらお話いただくことでより良い調整につながっていきます。

1. 環境・移動(業務のスタートラインに立つための調整)

調整内容 具体例 期待効果
座席位置の変更 静かな場所、日光の調整 集中力向上
移動経路の確保 段差解消、案内表示 安全な通勤・移動
作業環境の整備 照明調整、温度管理 体調安定
支援機器の導入 音声読み上げソフト、拡大鏡 業務効率化

2. 情報保障・理解(必要な情報を得るための調整)

調整内容 具体例 期待効果
指示方法の変更 口頭→文字、図解の追加 理解度向上
資料の工夫 大きな文字、色分け 情報取得の確実性
会議方法の確認 資料事前配布、録音許可 参加度向上
手話通訳アプリの導入 打ち合わせや日常会話の通訳 コミュニケーション円滑化

3. 対人(業務における人間関係・コミュニケーションの調整)

調整内容 具体例 期待効果
報告方法の工夫 定期面談の設定 不安軽減、関係構築
チーム編成の考慮 相性の良いメンバーとペア 協働効果向上
相談体制の整備 専任担当者、相談窓口の設置 問題の早期発見・解決
研修の実施 同僚への理解促進研修 職場全体の受容性向上

4. 健康・生活(安定して業務に就くための調整)

調整内容 具体例 期待効果
勤務時間の調整 フレックス制、短時間勤務 体調管理との両立
休憩時間の配慮 休憩頻度の見直し、静養室の利用 疲労蓄積防止
通院への配慮 定期通院日の確保 健康状態の維持
業務量の調整 段階的な業務習得 負担軽減

これら4つの観点を理解することで、従業員との対話がより具体的で建設的なものになります。「何か困っていることはありませんか?」という漠然とした質問ではなく、「作業環境で気になることはありますか?」「情報の受け取り方で工夫したいことはありますか?」といった具体的な投げかけができるようになるでしょう。

また、すべての観点を一度に検討する必要はありません。まずは一つの観点から始めて、効果を確認しながら他の観点も検討していくといった進め方をおすすめします。重要なのは、従業員の方と一緒にどの観点での調整が最も効果的かを見つけていくことです。

次章では、これらの観点を活用して、実際に職場で合理的調整を進めていく具体的な方法をご紹介します。

現場で始める合理的配慮(調整)の進め方

「理論は分かったけれど、実際にはどう進めればいいの?」という方に向けて、明日からでも始められる具体的な進め方をご紹介します。完璧を目指さず、小さな変化から始めていきましょう。

まずは対話から始めてみませんか?(今すぐできること)
  • 「最近、何か困っていることはありませんか?」
  • 「もっと働きやすくするには、どんな工夫ができそうですか?」
  • 「今の業務で、やりにくいと感じることはありますか?」
定期的な面談の設定

月1回、15分程度の個別面談を設けるだけでも大きな変化が生まれます。特別な会議室は必要ありません。休憩室やカフェスペースで、リラックスした雰囲気で話せる環境を作ってみてください。

一緒に解決策を考える(1週間程度で整理)

対話を通じて課題が見えてきたら、次は一緒に解決策を考える段階です。ここで大切なのは、一方的に「これをしてあげよう」と決めるのではなく、本人と一緒に最適な方法を見つけることです。

  • 本人が一番困っていることは何か
  • それは4つの観点のどこに該当するか
  • 企業として実現可能な調整は何か
  • お互いが納得できる着地点はどこか

理想を追い求めすぎず、「今できること」から始めましょう。例えば、理想は専用の休憩室だとしても、まずは座席位置を静かな場所に変更することから始める、といった具合です。

小さく試して様子を見る(1ヶ月間の試行)

調整案が決まったら、まずは1ヶ月間試してみることをおすすめします。この期間中は、本人だけでなく、周囲の従業員の反応も注意深く観察してください。

  • 本人の満足度や働きやすさの変化
  • 業務効率や品質の変化
  • 職場全体の雰囲気への影響
  • コストや手間の実際の負担

1ヶ月経って「思ったような効果がない」「別の課題が見えてきた」ということがあっても大丈夫です。むしろ、それが分かったことが成果です。遠慮なく調整案を見直してください。

成功を積み重ね、組織に広げる(3ヶ月後を目安)

うまくいった調整は、ぜひ記録に残して組織の財産にしてください。また、他の従業員にも応用できるアイデアが含まれているかもしれません。

  • 成功事例の社内共有(プライバシーに配慮しつつ)
  • 他部署での応用可能性の検討
  • 制度として整備すべき内容の洗い出し
  • 管理職向けの研修内容への反映

成功体験を積み重ねることで、合理的配慮が「特別なこと」ではなく「当たり前の配慮」として職場に定着していきます。

よくある質問と対応例

実際の現場でよく聞かれる疑問や不安に、具体的な対応方法をお答えします。

Q: 他の従業員から「不公平」と言われたら?

A: 全員にとっての働きやすさ向上として説明しましょう。

  • 「調整の目的は、みんなが力を発揮できる環境づくり」
  • 「必要に応じて、誰でも相談可能な制度」
  • 「結果的に職場全体の生産性向上につながる」
Q: どこまでが「過度な負担」なのか?

A: まずは、3つの基準で検討・判断してみましょう。

  • 費用負担: 企業規模に比して過大でないか
  • 業務への影響: 事業の本質的部分を損なわないか
  • 公平性: 同じスタートラインに立つための工夫か
Q: 調整が思うように進まない場合は?

A: 外部機関の活用を検討しましょう。

  • 就労支援機関への相談
  • 障害者職業センターのアドバイザー活用
  • 同業他社の事例研究

いかがでしたでしょうか。本記事を通じて、合理的配慮への見方が少しでも変わっていただけたなら嬉しく思います。

「合理的配慮=合理的調整」という視点で捉えることで、これまで特別で難しいものと感じていた取り組みが、実は日常の人事マネジメントの延長線上にあることがお分かりいただけたと思います。4つの観点での体系的なアプローチと、対話を重視した段階的な改善により、従業員の方と一緒に最適な職場環境をつくっていくことができるのです。

この取り組みは、単に法令を遵守するためのものではありません。優秀な人材の定着率向上、職場全体の働きやすさ改善、企業の社会的評価向上、そして多様性を活かした組織力強化といった、企業にとって大きな価値をもたらします。

合理的配慮は障害のある方だけの問題ではありません。子育て、介護、病気、価値観の違い...様々な背景を持つ従業員が、それぞれの力を最大限発揮できる環境をつくる。それが現代の人事マネジメントの本質です。合理的配慮は「特別なこと」ではなく、現代の人事マネジメントにおける「当たり前の配慮」なのです。

今回ご紹介した4つの観点は、合理的配慮の入り口に過ぎません。
ポシュロウラボでは、今日お伝えした内容をさらに発展させた豊富な配慮事例をご確認いただけます。また、従業員の方一人ひとりの状況や配慮内容をデジタルデータとして管理できるログ機能により、継続的で効果的な支援を実現できます。

「まずは自社でどんな配慮が可能か試してみたい」「従業員との対話をもっと具体的に進めたい」とお感じの方は、ぜひ30日間の無料トライアルをご体験ください。合理的配慮が「当たり前の人事マネジメント」として職場に根付いていく過程を、一緒にサポートさせていただきます。

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